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えもふりでイラストを動かそう

2024/12/21

 

イラスト関連#002 えもふりでイラストを動かそう


イラストを動かすツールというと、Live2Dが有名どころではありますが、初心者では結構ハードルの高そうなツールではありました。
Live2D以外のツールで「これなら初心者でも頑張ればできそうかな」と思った、有限会社エムツーさんの「えもふり」について解説していきたいと思います。

完成品

まずは「えもふり」でイラストをどんな風に動かせるのかを確認しましょう。
以下の完成品サンプルは「オリエントアルカディア」っていう三国志ソシャゲの「諸葛果」ちゃんです。

完成品

  • 瞬き
  • 口を動かす
  • 前髪の揺れ
  • 後ろ髪の揺れ
  • 胸の揺れ
  • スカートの揺れ
  • 身体の揺れ

「えもふり」でできる範囲はこのぐらいです。

上記では小さい動きしかさせておりませんが、表情を変えたり大きな仕草をさせることも可能です。ただし、腕を自由に動かすなどの高度な技術は「えもふり」では現状難しいようです。

より高度な所作をさせたい場合は製品版の「E-mote」の導入を検討しましょう。因みに「えもふり」は個人・同人利用のみのため、法人での商用利用は不可なので、ご注意ください。

事前準備

  1. イラスト作成ソフトのインストール
  2. えもふりのインストール
  3. えもふりのテンプレートのダウンロード

イラスト作成ソフトのインストール


イラスト作成ソフトについては、個人の好みのもので構いませんが、パーツイラストデータを保存する際に「PSD形式」で出力できるものに限ります。パーツイラストをえもふりに取り込む際、PSD形式でないと取り込めないためです。

既にインストール済みの方はお使いのイラストソフトがPSD形式で出力できるか確認してください。ファイルメニューの「名前を付けて保存」のところで保存できる形式が分かるはずです。

PSD形式で保存

えもふりのインストール


下記のページより「えもふり」をインストールします。

えもふり - E-mote Free Movie Maker

えもふり - E-mote Free Movie Maker

E-mote Free Movie Maker(以下えもふり)は、 絵師さんの「もっと簡単にキャラクターを動かしたい!」 動画制作者さんの「設定なんて面倒なことしたくない!3秒で動かしたい!」 っていう、皆からの強い要望にお応えするために 『E-moteよりも簡単に、楽しく、ぬるぬる動くキャラクターを作る』 ことを目的として開発された、新しい形のE-moteだよ!


えもふりのテンプレートのダウンロード


テンプレートは、完成したパーツイラストを「えもふり」に取り込む時に使用します。
パーツイラストをテンプレートにくっつけて「えもふり」で動かすという感じです。
「えもふり」で使用するテンプレートは2種類あります。

  • シンプルテンプレート・正面タイプ
  • シンプルテンプレート・微斜めタイプ

念のため、両方ダウンロードしておきましょう。

テンプレート

テンプレート

E-moteで読み込み、編集ができる特殊テンプレートファイルです。それぞれのサムネイルのリンクより、表示キャラクターのテンプレート、及びPSDファイルがダウンロードできます。


お好みで構わないと思いますが、「シンプルテンプレート・微斜めタイプ」の方は動作によっては表情の型崩れがしやすい印象です。

一応、取り込んだ後に微調整などもできますが、結構手間のかかる作業ではありますので、面倒なのは嫌だな...と思った方は、まずは「シンプルテンプレート・正面タイプ」に合わせた正面のイラストで作成していくほうが失敗がないかと思います

パーツイラスト作成

実際の完成品を見てもらえば分かるとおり、絵の頭身はデフォルメでも問題ありません。
完成品のテンプレートも「シンプルテンプレート・微斜めタイプ」を使用しています。

パーツイラストの描き方については、公式サイトに掲載されている「えもふりチュートリアル」で丁寧に書かれているため、読み飛ばさずに1つ1つ手順を確認しながら作業するのが良いでしょう。慣れないうちは読み飛ばしたりするとレイヤーの前後が分からなくなると思います...多分笑

えもふりチュートリアル

えもふりチュートリアル

本チュートリアルは、「E-moteがはじめて」という人に向けた入門用チュートリアルです。手順通りに作業する事で、手軽に動画の作成ができてしまいます!E-moteの詳しい使い方について知りたい場合には、マニュアルサイトをご参照ください。


注意点としては、
  • レイヤー名は必ず指定されたものを使うこと(カタカナ表記など要注意です)
  • レイヤーにゴミを残さないこと(線や色の消しくずが残ったままだと綺麗に動作しない)
  • 身体とは別に動かしたいもの(完成品の場合はスカート)は「追加パーツ_○○」としてレイヤーを分けること
くらいでしょうか。
まぁ...手順通りに作成していればほぼ間違いはないと思います。

が...追加パーツについては手順の後半で説明されているため、完成品のようにスカートやアクセサリを動かしたい人は先に見ておくと良いでしょう。ここだけ説明が前後になって申し訳ないのですが...。

追加パーツ、レイヤー一覧


私が使っているイラストソフトは「Open Canvas」です。ペンタブレットとイラストソフトが一緒になっているやつでした。Amazonで買いました。かなり前なのでうろ覚えですが、1万円くらいだったかなぁ?今ならもっと良いのが...あるはず!

パーツイラストが完成したらPSD形式で保存します。

えもふりで動かす


手順通りにインポートして、エラーなく取り込めたらいよいよ動き出しますね!
「ゴミが残ってる」とか「レイヤーの順番を間違えて表示がおかしい」ってなっていたら、残念ですが...

  1. イラストソフト側で修正
  2. PSD形式で再度保存
  3. えもふりに再度PSDデータをインポート

という作業を繰り返すことになります。

なので、まぁプロジェクト開発は...設計間違えると後工程で手戻りが発生する原因になって大変なので、なるべく前工程での手抜きはやめておきましょうw

問題なく取り込めたら動作確認です。
「えもふり」は無料版と言えど、結構色々微調整ができるので凄いです!(小並感)

取り敢えず、調整の前に一旦、サンプルで用意されているタイムラインを適当に選んで「再生」ボタンを押して、イラストがどういう動きをしているか確認しましょう。

表情や目の動きがなんかおかしいなーって思ったら「えもふりチュートリアル」にある通り細部を調整していきます。

因みに、完成品のタイムラインは「待機ループ03」に口の動きを追加したものです。

えもふりのエディタ画面

なお、あまり長いタイムラインや動作の追加をすると、容量が大きくなってX(旧:Twitter)などにアップロードできなくなるので、完成品をWeb上に発表したいと思っている方は、アップロード先の容量制限にも注意しながら作成してください。Youtubeなら動画共有サイトだから多少容量が大きくても問題なさそうではありますが。

終わりに

「えもふり」でこんなことができますよっていう説明でした。

自分で描いたイラストがこんなに簡単に動くなんて感動しますよね!ただ、パーツイラスト描いてるときが一番大変...かもしれません笑

最近は、AIイラストの普及もあって、1枚のイラスト描いただけではもう見向きもされない感じになってきてしまいました...。

でも!まだまだこういったアニメーション(レイヤー分けの部分)に関してはまだ大丈夫そうかな?という印象ですので、クリエイターの皆さん、頑張っていきましょう!

以上!